12月カディプロジェクト作業場建設のための調査報告_9

竹フレーム(構造体)のモックアップ2

・二つのフレームを繋ぐように梁材として竹@を20”の間隔で入れていく。

屋根仕上げのモックアップ

・屋根の仕上げは住人の意見を参考に現地の構法に近い形で行った。
・屋根の仕上げには下から、割竹→Silky(葦)厚さ:約1”→Newari(米藁)厚さ:4”→黒ビニールシート(ダブルで4.6”:今回は半分にカットし、シングル9.2”で使用した。)
・所要時間:Silky→3h/2 人、Newari→2.5h/2 人
・Silky は周囲から刈ってきたもの一束にまとめたもの(サイズ:12”x8”)をばらしながら敷いていく。
・Newari は1 束(サイズ:Φ約4’、長さ:約3’-5”、1束:Rs.1)をばらさずに重ねながら敷いていく。重なりしろは約2’
→作業の効率性と断熱のために屋根厚を確保するため。
・Silky とNewari の押さえは、二つのフレームを繋ぐ梁材の竹に紐をくくりつけて押さえている。
・最後に雨水対策として、ビニールシートで覆う。

竹フレームのサポート材を外した後

・最後に竹フレームのサポート材を外す。
・仕上げ材の重みで頂点部分が下に下がってしまった。
・フレームを外す前と外した後の寸法を採取し、変位を確認した。
・①柱の梁材の高さは変化がないが、柱(特に柱材が一本である中心部)が外に開いてしまった。→今回のモックアップは掘っ立て柱で行ったためそれが原因だと考えられる。
・②柱以外の接合部に関して、浅い角度で接合且つココナッツロープのみで結んでいるため、軸力方向に働く力を止めることができず、滑ってしまったと考えられる。→ロープだけではなく、前回のモックアップで行ったようにボルト等でずれが起きないような配慮が必要だと考えられる。

写真1:2つのフレームを繋げる
写真2:ewari(米藁)、ビニールシートを敷く
写真3:フレームを外した後の様子
写真4:柱が外に開いてしまう
写真5 フレームの斜材が効いていない

ニッチのモックアップ

・ニッチ 棚 の構法の検討を行った。
・ 土ブロックのサイズが規定とし、 16 ” のニッチを作成した。
・まぐさには t =12mm の合板を用いた。

土壁表面仕上げのモックアップ

・土のみ/土+石灰 /土 +牛糞の 3 パターンで土壁表面仕上げ を行った。
・それぞれを手で広げながら塗っていく。
・時間をおいて、経年変化の様子を確認する。

12/23調査  滋賀県立大学 橋本

12月カディプロジェクト作業場建設のための調査報告_8

竹フレーム(構造体)のモックアップ

・計画案の構造体である竹フレーム(最もスパンが大きいフレーム2つ)もモックアップの作成を行う。
・ブッタガヤ市内で竹を購入したが、材が湾曲しており、ガヤなどでその他の店で可能な限りまっすぐな竹を購入する必要がある。→現状の計画案では、最大で約27’(竹は28’で販売されている)の部材が必要であり、竹の材質がそのまま構造体の出てくるため。
・今回は、基礎は掘っ立て(基礎と竹のジョインは基礎のモックアップで行う)で行った。
・竹の接合部は、縄(ココナッツ?)のみを用いている。→接合部に可動性があるため、施工上は簡易に行えた点では良いが、接合部の強度が縄だけで十分か検討が必要である。

以下は作業の流れを示す。

  1. 竹フレームの通り芯を出す。
  2. 柱を設置。
  3. 各フレームの柱に梁となる竹を接合する。
  4. 足場を用いてと頂点を接合する

基礎のモックアップ

・計画案の基礎のモックアップの作成を行った。
・構造体に自然素材である竹を用いるため、経年変化による腐食・劣化等に対応できるようにすることを目的とする。
・現在計画しているレンガを用いた基礎に隙間を設け、PVC pipe@φ4’(塩ビ管のようなもの)を設置し、そこに柱材である竹を差し込み、ブレを防ぐために、砂を敷き詰めた。
・今回、PVC pipe の⾧さは1’-2”とした。

写真1:縄での接合
写真2:柱材と梁材を接合
写真3:梁同士を接合
写真4:レンガで基礎を作成
写真5:PVC Pipe を配置、モルタルで固める
写真6:竹を挿入し、砂で固める

12/17調査  滋賀県立大学 橋本

12月カディプロジェクト作業場建設のための調査報告_7

土ブロックの組積2

・12/13 の早朝に雨が降っていたため、土壁の確認を行った。乾季ということもあり、雨水対策を十分に行えていなかった。
→夜間の乾燥はあまり見込めないものとして、毎日ビニールをかける必要がある。壁量分ののビニール購入が必要
・土壁自体は形状を維持しており問題はなかったが、目地の部分に水分量多めの土を使っていたためそこに蟻が入り込んでいた。土壁の上部の表面(ペースト状の土を塗っている)に入り込んだ形跡がない。
→新規のブロックを積む際、縦目地、横目地を作成する際にペースト状の土が目地から溢れるくらい敷き、目地が見えなくなるように土壁表面のペースト状の土を塗ることである程度、蟻の侵入は防げるのではないかと推測している。現地の人曰く、蟻が入るのは問題ないとのことだが、念のためそのような工程をとることにする。

土ブロック曝露試験

・以前、作成した土ブロックのサンプル(土のみ/土+牛糞/土+麦藁/土+砂)の曝露試験として、雨が降った後の状態の土ブロックを確認した。
土のみ→ひび割れ/土+牛糞→あまり変化なし/土+麦藁→表面にざらつき/土+砂→表面にざらつき
・曝露試験のみの結果を比較すると、クラックがなく、表面にざらつきが少ない「土+牛糞」のブロックを使用するのが良いと考えられる。

写真1:ペースト状にした土を基礎の上に塗る
写真2:12 個のブロックを配置
写真3:土のみ
写真4:土+牛糞
写真5:土+麦藁
写真6:土+砂

12/13調査  滋賀県立大学 橋本

12月カディプロジェクト作業場建設のための調査報告_6

土ブロックの組積

・12/5 に作成した土ブロックの組積構法の確認を行った。
・以下、組積構法検証の一連の流れである。

  1. 基礎の上にペースト状にした土を塗っていく。(基礎表面がフラットではなく、土ブロックを置いた際にぐらつきがあったため、上記のように対応した。)
  2. 土ブロックを12 個(写真2)配置する。
  3. 縦目地には、ペースト状にした土に水を加えたものを流し込み、鏝で押し込んでいく。
  4. 上段を積む前に横目地として、基礎上で行ったのと同様にペースト状にした土を塗る。
  5. 下段の目地と一致しないように土ブロックを配置する。
  6. これらの工程を繰り返し行っていく。

・12 個の土ブロックを配置→縦目地(平面上でのブロックの接合)→横目地(上下のブロックの接合)までの流れでかかった時間は、約20-30 分(作業人数2 人)である。
・上記の所要時間を参考に施工スケジュールの作成を行う

写真1:ペースト状にした土を基礎の上に塗る
写真2:12 個のブロックを配置
写真3:縦目地を埋めていく
写真4:写真1に同じ。横目地を作る
写真5:下段の目地と一致しないよう配置
写真6:3 段が積み上がった様子

12/12調査  滋賀県立大学 橋本

12月カディプロジェクト作業場建設のための調査報告_5

土ブロックの作成5

・引き続き土ブロックの作成を行った。
・住民から実際の土ブロックの型枠を頂き、その型枠でも土ブロックの作成を行った。
・所要時間:2H、作業人数:2 人で52 個のブロック作成。
・所要時間:1.5H、作業人数:3 人で54 個のブロック作成。(途中からレンガ工場で働いたことのある
住民が参加し、アドバイスをもらいながら作成を行った。)
・今回構法の確認に必要なブロック数160 個を2 日間で作成することができた。また、土ブロック作成フローの改善点も見えてきたので施工フローを一度作成していく。
・雨季ではないが、気温が低く土ブロックの乾燥に時間がかかるため数日間放置させる必要があり、乾燥が終わり次第、組積構法の確認を行う予定である。

新しい型枠
土ブロック作成風景
レンガ工場で働いた経験のある住人
からアドバイス

12/9調査  滋賀県立大学 橋本